こんにちはnikokoです。
仕事・家事・育児・他にも様々なことをこなしていく毎日。あわただしい中で、
「どうしよう」「だいじょうぶかなぁ」と心配事もたくさん出てきますよね。
それは何も大人だけに限らず、子供たちにも、不安なことは日々の生活の中で感じることがあると思います。
今日は、「どうしよう・・・」「だいじょうぶかなぁ・・・」ととても心配なことがある時に、少しでもホッとするお話があったらと思い、私なりにそんな時に聞いてほしい読み聞かせ(語り聞かせ)のお話を創作してみました。
不安や心配が多い時、少しでもいいから安心できるものやお話、場所、人などの存在があると、心強いですよね。
今回創作してみたお話が、わずかでもホッと安心できるものに変身できたら・・・。
そうなったら、とてもうれしいです。
お話を聞いて、そして話してみて、少しでも笑顔がふえたらいいなと、ココロをこめて作りました。
わたしがこのお話を創作したきっかけ
わたしがこのお話を語るのは、いつも子供が寝る前でした。
なぜか我が家の子供たちは、寝る前に今日あったことや明日の心配事など、いろんな想像をするのが日課で、なかなか寝付けない日々がありました。
楽しいことを考えて寝よう!!と読み聞かせの為に創作してみたお話が、前回ご紹介した「まほうのブランコ」です。
それでも、いろんな心配をしすぎる日があったので、今回のお話を創作してみたのです。
1つ学年があがりクラス替えをしたり席替えをしたりと環境が変わった時、または、何か失敗してしまい次が不安な時など、子供の世界にもいろんな悩みや不安があるのでしょう。
ついつい早く寝てほしくて「楽しいこと考えて!」と声をかけてしまいがちですが、それが、簡単ではない場合もあるのかもしれません。
お話を語ることで、不安なことを考えてしまうことを不安に思うのではなう、次へとつながる材料にもなることに気付いてほしくて、このお話を創作しました。
このお話を語るときにわたしが気を付けていたこと
子供たちが寝る前に、このお話を語ることにしている我が家では、まず安心した気持ちになれるような雰囲気作りをしていました。
それは次のようなことでした。
・お話をはじめる前に、お話がはじまる合図をしてみる。
(例)足や手のマッサージタイムをつくり、終わってからお話に入る。
(例)ちょっとした歌あそびをしてみる
・やさしく、ゆっくりと語りかける
読み聞かせ(語り聞かせ)は、話し手と聞き手の距離が近くなるので、話し手だけが先にいってしまわないように、聞き手の反応をみながらお話を進めていきました。
特にこのお話は、不安解消の手助けになればなぁと思っていたので、やさしく語りかけるようにしていました。
・お話が終わったら、感想は聞かず、頭をなでるなど少しのスキンシップをとる。
お話が終わったんだなと区切りをつけるために、頭をなでる・手をにぎってみるなど、安心がつづくようにしていました。
ただ、いろんなことを考えているかもと思い、お話の感想などは子供にあえて聞きませんでした。
作ってみた!!素話・創作話
では、わたしが考えた素話・創作話を1つご紹介します。
楽しんでいただけたら、うれしいです。
「いけっ! ぼくのココロ隊!!」
ある小さな村の大きな野菜畑があるすぐ隣に、黄色いドアのおうちがありました。
その黄色いドアのおうちには、大きな野菜畑でさつまいもやニンジンを育てているある家族が住んでいました。
その家族の中には、ジャックという小さな男の子がいました。
ジャックは、なんでも「本当に大丈夫かなぁ」と心配しすぎるクセがありました。
ある日、ジャックはおうちの前にある畑に、お父さんとニンジンのタネをまきに出かけました。
ジャックはニンジンが大好きでした。
ほんのりあまくて、シャキッとしたニンジンになるように、お父さんと一生懸命タネをまきました。
自分の列にニンジンのタネをまき終えたジャックは、ふと思いました。
このまき方で本当によかったのかな。もっと丁寧にまいた方がよかったのかなぁ・・。
水はあげすぎてないかな・・・。
「ねぇ。お父さん。ぼくのニンジン、ちゃんと育つかなぁ・・・。」
心配そうなジャックにお父さんは優しくこう答えました。
「大丈夫!!ジャックが一生懸命まいたんだから、きっとおいしいニンジンに育つさ。」
その夜、ジャックは、やっぱりニンジンのことが気になって、ベッドの窓から、隣の畑をジッと見つめていました。
そして、しばらくすると、ジャックの体の中から、にぎやかな声が聞こえてきたのです。
パッと目の前が薄暗くなったかと思うと、急に光がさしこんで目の前に小さな小人たちが現れました。
小人たちはせっせと忙しそうに動き回っています。
でもどの小人たちも、不安そうな顔をしていました。
ジャックは一人の小人に尋ねてみました。
「どうして、不安な顔をしているの?」
小人は答えました。
「心配なんだ・・・。ニンジンがうまく育つか本当に心配なんだ!」
ジャックはハッとしました。
この小人たちは、自分自身かもしれないと!!
不安そうな小人たちは、そそくさとある青い色の扉の部屋に入っていきました。
青い扉の部屋はたくさんの小人たちであふれそうです。
そんな様子をみながら、ジャックは眠気がだんだん大きくなりいつの間にか眠ってしまいました。
ジャックは次の日、目をさますと、お母さんがふわふわのパンケーキを焼いてくれていました。
昨日の夜の不思議な夢のような小人のことも気になりましたが、ふわふわのパンケーキにちょっと甘めの生クリーム、ラズベリーといっしょに食べると何とも言えない幸せな気持ちで満ちあふれていきました。
朝食のあとは、庭の掃除を手伝い、すがすがしい気分になりました。
青空に広がる真っ白な雲を庭の芝生にゴロンと寝ころびながら見ていると、時間がゆっくり流れるような気持ちになります。
ふぅ~!!
深呼吸をして、空気を吸いこむと、ココロの中もさわやかになったように感じていきます。
その夜、ジャックはベッドでウトウトし始めると、また、不思議な光が目の前にきて、小人たちが現れました。
でも、この夜に出会った小人たちは、昨日の小人たちとちょっと雰囲気が違います。
その小人たちは、とても色々な表情をしていたのです。
楽しそうに踊っている小人、帽子をとりあってちょっといたずらっ子の小人、ニコニコしながら掃除をしている小人、まだまだたくさんの小人たちがいました。
そして奥の方に青い扉の部屋の前でじっと考え込んでいる小人の姿もあります。
ジャックは昨日と違っている小人たちの様子にちょっと驚いていると、小人の一人がチョコチョコとジャックの前にやってきて小さな手を差し出しました。
すると、突然ジャックの体も小さくなり小人たちの世界に飛び込んでいきました。
「ピー!!」
どこからか、笛の音が鳴り響きました。
すると、一斉に小人たちが移動し始めます。
楽しそうな小人は桃色の扉の部屋の前へ
ちょっと怒っている小人は真っ赤の扉の部屋の前へ、
悲しそうな小人は白色の扉の前へ、
そして、青色の扉の前にはさっき見かけた、考え込んでいる小人が一人いました。
ジャックは、青色の扉の前にいる小人のことが気になりました。
「どうしたの?何を考えているの?」
思い切ってジャックは小人に尋ねてみました。
小人はこう答えました。
「ニンジンがね・・・。ニンジンの水やりの仕方とかタネのこととか、うまく育つかなってまだ、心配なんだ。昨日は一緒に心配してくれた仲間がいたんだけど、今日はみんな違う部屋にいっちゃって・・・。」
ジャックは、ハッとしました。
昨日あんなに心配で大事に考えていたニンジンのことを、今日はすっかり忘れていたのです。
他の色の扉の部屋には、昨日まで青い扉の部屋に入っていたほかの小人が今日は、表情をかえて入っていったのでした。
ジャックは思いました。
この小人たちは、ぼくのココロ隊なんだ、ぼくの思っていることがこの小人たちをうごかしているのかもしれない。
どのココロ隊もぼくの大事な隊員だ!!
みんなを大切にしてあげよう!!
そう思ったとたん辺りが暗くなり、小人たちの姿が見えなくなりました。
そして、気がつくと眠っているジャックに朝の陽ざしが注ぎ込んできました。
ジャックはお父さんとニンジンの畑へ出かけました。
そして、ココロをこめてニンジンに水をあげました。
ふと自分の家をみたジャックは黄色の扉をみて、小人たちを思い出します。
「きっと今日は、どの部屋もぎゅうぎゅうづめではないし、ひとりぼっちでもないよね。
だって、今ぼく畑仕事が疲れたけどお父さんといっしょで楽しいし、水やりのやり方が大丈夫か心配だけどうまく育つかもってワクワクもしているもん。
小人のみんなそれぞれ楽しんでくれているかな?
どの小人たちも大事なぼくのココロ隊だ!!」
みなさんのココロにもいろんな表情をした小人たちが、今日もいろんな色の扉の前で集まっているかもしれません。
~おしまい~
あとがき
いかがでしたか?
心配することは決して恥ずかしいことではないし、喜怒哀楽など、どのココロも大切にしたいなと思ってこのような話を書いてみました。
心配しすぎると小人たちが部屋がぎゅうぎゅうでちょっと疲れてしまうかもしれないけど、全くいないと、それはそれで大変になるかもしれません。
心配する気持ちも何かを気付かせてくれたり、考えさせてくれたりします。
悲しい気持ちは寂しさもあるけれど、でも誰かを思いやる気持ちにもつながっていくかもしれません。
怒る気持ちも、時には人間に必要かなと思います。
ただ、どの気持ちもつながりあって、バランスをとっていくことが大切なのかなと考えました。
ココロ隊の小人たちがどの扉の部屋でも、それなりに楽しくいれたらいいなと思います。
ココロ隊の隊長は自分自身なのです。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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